三菱一号館美術館公式ブログ | 新しい私に出会う、三菱一号館美術館

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三菱一号館美術館 公式ブログ 当館のイベントの様子や出来事をお知らせしていきます。

2014年11月7日

秋の読書週間

皆様こんにちは。最近は朝晩の気温も低くなり、ますます秋めいてまいりました。
今回は「ほんをよもう」と10月の27日(月)~11月9日(日)と今週末まで行われている読書週間にちなんで、
お勧めの書籍をご紹介したいと思います。ちなみに、ミレーは農家の出身でありながらラテン語が読めるほどの
インテリで、たいそうな読書家だったそうです。

さて、今回ご紹介するのは、山口 晃著『ヘンな日本美術史』(祥伝社)です。

推薦者は当館学芸員の野口です。
前回の浮世絵の展覧会「Floating World -珠玉の斎藤コレクション」を担当しておりました。

Q、この本はどのような点がおもしろいと思われたのでしょうか ?
A、この本の著者である山口氏自身が作品を制作する制作者であるということが大きな特徴です。
  制作者の視点ならではの見方が色々なところに見られます。
  特に印象的だったのは、月岡芳年についての記載です。いままで彼の浮世絵作品を見るたびに、
  他の作品とは何かしら決定的に違っている、とは感じていたのですが、何が他の作品と違うと
  感じる原因なのか、よくわからなかったのです。
  山口氏によると、西洋の技法である写実を取り入れたことが、他と違うと思わせる原因である
  ということで、なるほど!と今までのもやもやが腑に落ちました。

日本の浮世絵が、印象派の画家に与えた影響とは逆の視点で、江戸から明治期に日本が変化していく中で、
西洋の技法が日本画に与えた影響なども、彼の視点で論じられているので大変面白いと思いました。
他にも、《伊勢物語絵巻》について、
「品質の高いミネラルウォーターが綺麗な瓶に入っている、中身と瓶が一致している幸せな状態」
という、絶妙な表現が使われていたりしています。ちなみになぜ《伊勢物語絵巻》がこのような表現で
語られているのかについては、実際に読んでご確認下さい!

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お気に入りの1冊をお供に、秋の三菱一号館美術館と一号館広場にお越しください。
お天気が良ければ一号館広場のベンチに座って、秋の読書を楽しめます。
あるいは、読書に飽きたら気分転換に美術館で絵画鑑賞を。
三菱一号館美術館では、現在「ボストン美術館 ミレー展― 傑作の数々と画家の真実」を開催中です。

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皆様こんにちは。最近は朝晩の気温も低くなり、ますます秋めいてまいりました。
今回は「ほんをよもう」と10月の27日(月)~11月9日(日)と今週末まで行われている読書週間にちなんで、
お勧めの書籍をご紹介したいと思います。ちなみに、ミレーは農家の出身でありながらラテン語が読めるほどの
インテリで、たいそうな読書家だったそうです。

さて、今回ご紹介するのは、山口 晃著『ヘンな日本美術史』(祥伝社)です。

推薦者は当館学芸員の野口です。
前回の浮世絵の展覧会「Floating World -珠玉の斎藤コレクション」を担当しておりました。

Q、この本はどのような点がおもしろいと思われたのでしょうか ?
A、この本の著者である山口氏自身が作品を制作する制作者であるということが大きな特徴です。
  制作者の視点ならではの見方が色々なところに見られます。
  特に印象的だったのは、月岡芳年についての記載です。いままで彼の浮世絵作品を見るたびに、
  他の作品とは何かしら決定的に違っている、とは感じていたのですが、何が他の作品と違うと
  感じる原因なのか、よくわからなかったのです。
  山口氏によると、西洋の技法である写実を取り入れたことが、他と違うと思わせる原因である
  ということで、なるほど!と今までのもやもやが腑に落ちました。

日本の浮世絵が、印象派の画家に与えた影響とは逆の視点で、江戸から明治期に日本が変化していく中で、
西洋の技法が日本画に与えた影響なども、彼の視点で論じられているので大変面白いと思いました。
他にも、《伊勢物語絵巻》について、
「品質の高いミネラルウォーターが綺麗な瓶に入っている、中身と瓶が一致している幸せな状態」
という、絶妙な表現が使われていたりしています。ちなみになぜ《伊勢物語絵巻》がこのような表現で
語られているのかについては、実際に読んでご確認下さい!

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お気に入りの1冊をお供に、秋の三菱一号館美術館と一号館広場にお越しください。
お天気が良ければ一号館広場のベンチに座って、秋の読書を楽しめます。
あるいは、読書に飽きたら気分転換に美術館で絵画鑑賞を。
三菱一号館美術館では、現在「ボストン美術館 ミレー展― 傑作の数々と画家の真実」を開催中です。

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